メタボリックシンドロームは内臓脂肪型症候群とも呼ばれます。食べ過ぎや栄養が偏った食事、そして運動不足などが原因となって内臓脂肪が溜まり、それが脂質異常(中性脂肪やコレステロールの異常)高血圧、高血糖などを引き起こし、脳卒中や心臓疾患のリスクを高めてしまうことにつながります。
このやっかいな内臓脂肪はなぜ、たまってしまうのでしょうか?
内臓脂肪には余ったエネルギーを一時的に蓄積するという役目があります。食事で摂取したエネルギーよりも身体が消費したエネルギーのほうが少ないと内臓脂肪は増えてしまうので運動不足の人は内臓脂肪がたまりやすいといえます。
また人間の身体は年齢とともに基礎代謝が低くなっていきます。基礎代謝とは何もせずにじっとしていても生命活動を維持するために身体の中で使われているエネルギーのことです。成人してから年を取るにつれて基礎代謝が減り、それに加えて世の中が便利になったことで歩いたり階段を上がったりという活動が少なくなってくると、ますますメタボになってしまうリスクが高くなっていきます。
メタボ=肥満と考える人は多いですが、実はメタボに関係するのは
内蔵脂肪型肥満
と、いいます。内臓の周囲に脂肪が付着して、お腹がぽっこり出た体型になります。30代以上の男性に多く見られるものです。一方で皮下脂肪による肥満は
皮下脂肪型肥満
といい、腰回りやお尻、太腿など下半身を中心に脂肪が溜まります。比較的女性に多いタイプです。
内臓脂肪の方が皮下脂肪に比べてたまりやすいものの、運動や食事の改善により落としやすいのも事実です。
ただ、ぽっこり出たお腹をひっこめるために腹筋のトレーニングを行う人は多いのですが、そのやり方はあまり効果的とは言えません。
腹筋のトレーニングだけでは身体の表にある筋群を鍛えるだけで身体の中にある内臓脂肪を落とすことはできません。
内臓脂肪を落とすために効果的なのはウォーキングやジョギングなどの有酸素運動です。とはいえ息が上がってしまうような激しい運動になってしまうと糖質が使用される割合が高くなるので、軽く息が弾む程度の有酸素運動を行いましょう。
それにより使われるエネルギーとして主に脂質、そして糖質の両方が使われます。内臓脂肪を落とすためにはそれぐらいの低い強度で大丈夫です。
それではどれくらいの有酸素運動を行えばよいのでしょうか?
ACSM(アメリカスポーツ医学会)の基準では1日30分以上以上の運動が望ましいとされています。
以前は有酸素運動を20分以上行わないと脂肪が燃焼されないなどと言われていましたが、このエビデンスはその後の研究により変わりました。30分の有酸素運動を分割して1日10分の運動を3回行うようなやり方でも充分に脂肪の燃焼を促すという事実が研究で明らかになりました。
イギリスのラフバラ大学のゲーリーオドノバン博士とオーストラリアのシドニー大学の研究チームによる調査で発表した論文によると、なんと、毎日30分に換算できる運動を週末にまとめて行っても十分に効果があることが分かりました。つまりはこういう事です。
週末に2回90分間の運動を行っても、1日30分に運動を6日分行ったのと同じ効果が得られるという事です。この研究は普段多忙なライフスタイルを送っていて運動に時間を費やせない人には喜ばしいニュースです。
ただ、いきなり長時間の運動を行うのはハードルが高い方は運動を1日数回に分けて行なったほうがいいかもしれません。
有酸素運動は長い時間続けた方が脂肪が早く落ちるようなイメージがありますが一概にそうとは言えません。
実は有酸素運動を終えた直後には体内の余熱で脂肪が循環する時間があります。
これは運動過剰酸素消費量(EPOC)と呼ばれ、運動後に代謝と共に消費カロリーが上がっている状態で、おおむね3時間から14時間、最大24時間も続くと言われています。つまり、短めの運動を1日に複数回行うとEPOCの効果を多く得られることが期待できます。
メタボを改善するためには有酸素運動に加え、筋トレも効果的です。
運動不足は筋肉量の低下をもたらし、それにより基礎代謝の低下、内臓脂肪を増やす原因にもなります。筋トレを行うと成長ホルモンやアドレナリンなどの分泌が促されます。
すると脂肪が分解されやすくなる状態になります。そのあとに有酸素運動を行うと脂肪の燃焼効果がさらによくなります。
あとメタボと診断を受けた方は一日の身体活動が低い傾向があります。
できるだけ普段の生活に運動以外の身体活動を多くしていくのもメタボの改善につながります。生活習慣を見直し健康な身体を取り戻していきましょう。
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